記事

【2026年調剤報酬改定】門前・中小薬局が押さえるべき5つの変更点(2/13加筆更新)

NINishimoto_Dev··0
1分で読めるAI自動要約

2026年度調剤報酬改定は、門前・中小薬局に大幅な減収をもたらす。集中率の閾値が85%に厳格化され、医療モール対策や施設・在宅処方の計算ルール変更も実質的な集中率上昇を招き、調剤基本料の減点リスクが高まる。

地域支援体制加算と後発品加算は統合され、後発品割合が低い薬局は地域貢献しても加算が算定できなくなる。特に、内服薬の調剤管理料は28日分以上で60点、27日分以下で10点と大幅に簡素化され、短期処方の薬局は1枚あたり30点の減収となる。

2026年2月13日に中医協より答申があり、改定の具体的な点数が確定しました。本記事では、確定した点数を反映し、門前・中小薬局への影響をさらに詳しく解説します。

30年ぶりの大幅プラス改定(+3%超)と報じられた2026年調剤報酬改定。

しかし蓋を開けてみると、門前薬局や中小薬局にとってはかなり厳しい内容が盛り込まれていました。

既にXにも投稿しましたが、改めて記事という形でも紹介します。


1. 集中率の閾値が「95%→85%」に厳格化

今回の改定でインパクトが大きいのがこの変更です。

これまで「安全圏」とされていた集中率85〜95%の薬局が、一気に減収ゾーンへ転落する可能性があります。

具体例:集中率90%の門前薬局

  • 改定前: 調剤基本料1(45点)を算定可能

  • 改定後: 調剤基本料2(30点)に区分変更

処方箋1枚あたり15点(45点→30点)の減収となり、年間で見ると大きな影響が出ます。


2. 集中率計算ルールの変更(3つの隠れリスク)

閾値の変更に加え、集中率の計算方法そのものも変更されています。従来の戦略が通用しなくなるケースがあるため、注意が必要です。

リスク①:医療モール対策が無効化

「同一敷地・同一建物内の医療機関は1つとみなす」というルールが導入されます。

複数クリニックからの処方で集中率を分散させる戦略が通用しなくなります。モール内薬局は実質的な集中率が急上昇し、区分変更リスクが顕在化します。

リスク②:介護施設処方が集中率計算から除外

施設処方で集中率を下げていた薬局は、実質的な集中率が上昇することになります。

リスク③:在宅処方が受付回数に算入

在宅に注力していた薬局は、月1,800回等の境界ラインを超えるリスクが生じます。


3. 地域支援体制加算・後発品加算の統合

一般の調剤薬局が気になるのは、こっちの内容でしょうか。私も一番関心がありました。

廃止される加算

  • 地域支援体制加算

  • 後発医薬品調剤体制加算

新設される加算

  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算(5段階)

従来は別々の加算だったため、「後発品加算は無理でも地域支援で稼ぐ」という戦略が可能でした。

しかし改定後はこれが不可能になります。

後発品割合が新加算の「基礎要件」となったため、後発品割合が低い薬局は、地域貢献の実績があっても加算が取れなくなります

4. 点数変更による影響

注目すべきは、基礎要件のみの加算1(27点)では、従来の後発医薬品調剤体制加算1(30点)よりも点数が下がってしまう点です。

つまり、後発品割合が高いだけでは減収となります。

というか、両方の加算を算定していた多くの薬局で実質的な減収が発生します。

  • 地域支援1(32) + 後発品3(30) → 地域支援・供給加算2 59点(-3点)

  • 地域支援2(40) + 後発品3(30) → 地域支援・供給加算3 67点(-3点)

  • 地域支援1(32) + 後発品2(28) → 地域支援・供給加算2 59点(-1点)

  • 後発品3(30)のみ → 地域支援・供給加算1 27点(-3点)

地域支援だけだった薬局は、いきなり大打撃。

後発体制で頑張っている薬局も減収です。

当初はこの変化が一番大きな影響だろうと考えていましたが、2/13に具体的な点数が確定して、次の項目が更に重要でした。

(どこまでいじめられるんでしょうか)


5. 調剤管理料の大幅変更(短期処方で大打撃)

今回の改定で、多くの薬局にとって最も直接的な影響があるのが、内服薬の調剤管理料の変更です。

これまでの4区分から、以下の2区分に簡素化されました。

これにより、皮膚科や耳鼻科、整形外科の門前など、14日処方や21日処方が多い薬局は、大幅な減収となります。

  • 内服薬 28日分以上60点

  • 内服薬 27日分以下10点

例えば14日処方の場合、従来の調剤管理料は40点でした。

改正後は10点となり、処方箋1枚あたり-30点という極めて大きなマイナス影響を受けます。


5. 今後のスケジュール

詳細な点数は2026年2月13日の中医協総会で答申され、3月上旬の官報告示を経て、6月1日より施行されます。

告示前ではありますが、方向性は明確なので、今から対策を検討しておくことをお勧めします。


まとめ

ちょっと嫌なシミュレーションをしてしまいました。もし私の理解が間違っていたらコメントなどで修正いただけると幸いです。

今回の改定で影響を受ける薬局:

  • 集中率85〜95%の門前薬局 → 閾値厳格化で区分変更リスク

  • モール内薬局 → 医療モール対策が無効化

  • 施設処方で集中率調整していた薬局 → 計算から除外され実質集中率上昇

  • 在宅に注力している薬局 → 受付回数が境界ラインを超えるリスク

  • 後発品割合が低い薬局 → 加算統合で地域貢献していても加算が取れない

「プラス改定」って聞いた記憶がかすかにありますが、これの一体どこが…?


この記事は2026年2月時点の情報に基づいています。正式な点数は官報告示をご確認ください。

※ この記事は個人の見解であり、特定の医療行為を推奨するものではありません。 実際の臨床判断は、個々の患者さんの状況に応じて行ってください。

NI
Nishimoto_Dev第104回

薬剤師や薬学生に役立つプロダクトを作っている現職薬剤師。webサイト、webアプリ、スマホアプリを開発しています。現場で学んだことや共有したいことを投稿します。ヤクわの開発者です。

@yaku_app_web

「現場の常識」が、どこにも書いてない。

教科書にない経験則。先輩からの口伝え。Xで流れて消えていく知見。
それを変えたくて、『ヤクわ』を作りました。 #薬剤師のチカラ を、現場レベルから。

詳しくはこちら →

コメント (0)

コメントするにはログインが必要です

ログインする

まだコメントはありません